2/05/2012

州立大学: 収入源の留学生、州内の学生枠を奪う留学生

今日(2月5日)のニューヨークタイムズの記事 Taking More Seats on Campus, Foreigners Also Pay the Freightに興味深い事が数点載っています。

1.ワシントン大学(ワシントン州立)が留学生枠を急激に広げている。2006年新入留学生が全新入生の2%だったのが、今年は新入留学生が18%までに急上昇しています。理由が資金集め。留学生の学費が州内学生の学費の3倍。しかし、その留学生からの支払い分で約25%の州内からの学生がFull rideの奨学金をまかなっています。

資金源としての留学生を増やす事により減ってしまう州内からの学生枠への対応、でもその資金で州内生に奨学金が出せる、州立大学の高等教育への考え方が今後の課題になりそうです。また、「州内の家庭から、州外や留学生と同じ学費を支払うから入学させろ」との意見も出始めたようです。違う表示価格を持つ州立大学は、州内の政治(州内に住む学生の高等教育)と絡み複雑化しそうです。

2.ワシントン大学(ワシントン州立)への留学生からの志願者が2007年は1540人。今年は6000人と増えています。留学生のYieldを考慮しても、合格率が20%強です。大学全体の合格率の57%と比較すると、留学生は相当厳しい競争になってきています。州立なら、全額支払だから滑り止めとはもうならないようです。留学生のYieldも35%から42%と上昇している事からも、ワシントン大学を滑り止めと扱っている留学生が減っているのが分かります。(成績優秀な州内の学生のような対応はもう無理なのでしょう。)

3.米国大学への志願者が増加して、その増加分が名門大学への進学だけでなく他の大学へも流れ始めている上、全額費を払う留学生受入れをゴールドラッシュと称しています。その上、Purdue大学やイリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)は留学生に追加料金を学費に上乗せを決定しています。上乗せしても増える留学生志願者ですから、大学にとってはゴールドラッシュでしょう。しかし、留学生は私立大学を含め、奨学金やFA後のネットコストとベネフィット、大学ごとの得られる事を詳細にわたって確認するべきでしょう。

どのFlagship州立大学も同じ状況のようです。日本から留学生として志願する場合も、米国に移住している日本人子女で志願する場合も州立大学への対策を考え直す時期のようです。

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