不況の厳しさが原因とされたり、専攻の選択が原因とされたりしています。その反面、Seletivityの大学選択による就職の差や大学での成績による就職の差が生まれるとする意見もあります。最近の2010-2011年卒業生の統計を見てみると、
大学 | 回答率 | 就職先決定している学生 | 大学院進学予定 | 平均年収 |
Princeton | 99% | 61.6% | 22.5% | $62,423 |
Cornell | 73% | 53.5% | 30.3% | $51,000 |
Rutgers | 43% | 26% | 25% | $40,000-50,000 |
この資料は自己申告ベースなので、学生数の多い大学程回答率が低くなるのは仕方ありませんが就職先や大学院進学先が決まっていない学生からの回答がない可能性は高くなります。回答率が悪い分卒業時点での就職先が決まっていない割合が高くなると予測されます。Rutgers(NJ州フラッグシップ州立大学)は全米でも州立では上位に食込む優秀な大学です。大学院のレベルも高く多くの専門科目で上位10で評価され、Ivy大学に引けをとりません。NY市近郊なこともあり、就職活動も活発で初任給の高い仕事も見つけ易いと言われています。それでも、この不況下では驚くほどの統計結果ではないでしょうか。アメリカでは大学卒業の学位の価値の評価が変わり、大学卒業それ自体だけでは評価されなくなり、優秀な大学へ進み優秀な成績を修めている必要性がうまれたといわれます。数十年前はGPAを履歴書に記さ無かったのに今は当たり前になっています。
専攻の誤りとか大学での成績の低さが就職難の原因と話題にのぼりますが、上記の統計はそれ以上の差を表しているようです。Selectivityの高い名門大学へ進学している学生ほど、卒業時に就職先や進学先確保されています。Ivy大学のプリンストンとコーネルは半数以上の学生が就職先が決まっているのに対し、州立のラタガーズでは4分の1の学生しか決まっていません。Ivyの大学群へ進学した学生が仕事を見付けているのが伺えますが、Selectiveな大学へ進学することによる利点なのでしょうか。
Worker Signals Among New College Graduates: The Role of Selectivity and GPA*
Brad Hershbein - The University of Michigan October, 2011 によるとSelectiveな大学に進むことによって生まれる収入のプレミアムは主に大学名による「能力表示」としています。このSelectiveな大学から選択するのは「HarardやAmherstの卒業生を雇うのは、能力の高い求職者を選択」していると雇用者に自身を与えている。その上、「Central Michigan大学やFlorida Atlantic大学等のless Selectiveな大学からの学生達から選ぶ事によって生まれる能力の上下差、成功や失敗」の心配を与えない。この理由は、
High SelectiveなHarvardやAmherst等名門大学の卒業生ではGPAが2.5や4.0でも初任給に余り差がありません。Michigan大学やUCバークレー等も高いGPAと低いGPAでは少しの差しか年収に差はありません。それに比べ、less selectiveな大学群ではGPAは雇用側にとって重要な項目とされ、初任給に平均から差が現われている。
ぎりぎりに大学へ進学することができた学生や平均層で進学できた学生に優れた教育過程と課外活動による大学別の効果ははっきりと現われていませんが、名門大学へ進んだ学生が最もその益をうけています。雇用側はSelective大学の持つ教育効果ではなく、基本的学生の「能力表示」を基にするからです。同じ学生がless selectiveな大学へ進んでいる場合は学部でのGPAが重大になります。
日本で東大、京大などと同じではないでしょうか。アメリカでも大学の名前の効力は大きいようです。
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