5/18/2011

Financial Aid について - no.2

最初に投稿した Financial Aid について - no. 1はここです。 この投稿にあった匿名さんからの質問  "入学審査で合格したけど、低いFinancial Aidで不合格の手紙を受取った" について。

大学にとってFinancial AidはEnroll Managementの一つの道具です。多く与えれば、その学生は学校に喜んで来るでしょう。ゼロならCost of Attendance(COA)を払ってでも来たい学生は入学しますが、払うことが出来ない学生は違う大学に行きます。Financial Aidを多くの学生に沢山出せば出すほど生徒は大学に入学し、少なくすればするほど他所の大学に入学してしまう生徒が増えます。

大学は入学許可を与えた生徒に幾つかのランクを付けています。大学に来てもらえば何らかの貢献をしてくれ入学して貰いたい学生。ぎりぎりで入学許可を与え、大学からすれば他の学生と入替えてもよい学生。そしてその間の何処かに位置づけられる学生。”Need Based”とは言っても、メリットの考え方が加わってきます。よって大学が来て貰いたいと考えている学生には現実に見合った各家庭が考えているような”Need" に見合ったFinancial Aidを与えます。Financial Aidに含まれるローンの金額も少なくなります。それに対し、逆の生徒達には余りFinancial Aidを出さず、大きなGapを残したり大量のローンで済ませたりします。

fafsa.gov や collgeboard.comサイトで基本的Expected Family Contribution(EFC)は自分で試算できます。この試算値程のEFCやEFC試算値より良いFinancial Aidをくれる大学はその生徒を来てもらいたい思っている訳です。どうでもよいと思われていれば全く掛け外れたFinancial Aidを提出します。どっか計算間違いかと思える程悪かったりします。Boston UniversityウェブサイトのFinancial Aidセクションに、同じ収入でも、SAT/ACTの得点と高校の成績によってFinancial Aidの金額がどのように違うか、幾つかの収入レベル毎に例が紹介されています。当大学は標準テストの高得点と高校の成績の高い学生に多くの”Need based"のFinancial Aidを出すと公表しているのです。

”Need based"のFinancial Aid審査には、年収、預金と資産の詳細、税申告書等を提出しています。大学は、各家庭の支払い能力を確りと理解しているのです。入学審査で許可をもらっても、年8万ドルの収入で、大学よりFinancial Aidとして6千ドルのローンが出て、毎年5万ドルのCOAの自己支払いの手紙を入学許可と同時に受け取っても、入学は無理です。来るなといっているのと同じです。大学は無理なのが分かっていながら行っているから との理由で、"入学審査で合格したけど、低いFinancial Aidで不合格の手紙を受取った、"となります。

Financial Aid を頂ける事自体感謝しなければならないのですが。

ボンママさんのリクエストされた記事のリンクです。

米国籍学生でも、過半数の生徒がFinancial Aidを受けている大学は数える程で例外です。殆どの大学は過半数の生徒が”Full Pay"です。

Will "full pay" college applicants have an advantage this year? 11/13/2009

Paying in Full as the Ticket Into Colleges 3/30/2009

Rich Students Will Get More College Acceptance Letters in 2010 1/15/2010

Five myths about college admissions 5/23/2010

Buying Your Way Into College 2/19/2011

2 件のコメント:

  1. そう言うケースもありえるが、必ずしもそうとは限らない。

    CSSをも審査する大学では、受験生の優秀さに関わらず、FAFSAによるEFC査定額よりずっと低い額のEFCが提示されるケースも多々ある。

    FAFSAとCSSでは対称にする項目基準が違うので、至極当然。

    例えば、家庭内に当の受験生以外にも「私立」の高・中・小&Kの学校に在学中の学費を必要とする弟や妹がいた場合、CSSではその学費も考慮されるが、FAFSA査定では無視。

    またごくごく限られた大学だが、CSSの提出により、大学院在学中の兄や姉の学費までもを考慮すると明記する大学さえある

    但し当の受験生以外にも「大学在学中」の兄や姉がいる場合は、FAFSA、CSS共に、その兄や姉の学費が考慮される。

    これらはほんの一例。他にもEFCがCSSによりFAFSA査定額より大幅に減額される要素は多々あり、また、その反対に、受験生の優秀性に関わらず、対基準の違いからFAFSA査定額より大幅に高くなる要素も多々ある。

    例えば、現在住む持ち家に対する査定。
    FAFSAは現在住んでいる持ち家を資産対象とせず、そのモーゲージだけを考慮するが、CSSは全てを資産価値の対象とする。モーゲージがまだ多々残っていればさほど心配ないが、モーゲージが既に完済していれば大きな資産とみなされる。

    但し、FAに超寛大な数校の大学では、モーゲージ完済の現在住んでいる家に対しても資産外とする事を明確なFA基準としているケースがあり、これも受験生の優秀性には一切関係ない。


    BostonUのFA事情は以前NYTで暴露され、その後同大学FAサイトには貴殿の書かれた内容の説明が新たに加わったと言う経緯があり、全ての大学がBostonUと同様と言う訳では無いので注意が必要。

    米国では大学受験プライベートカウンセラーと、FAだけを扱うFAプライベートカウンセラーは別の仕事となり、両方を同時に扱うカウンセラーは少ない。

    それだけFAは複雑と言うことであり、FA対策は、受験以前から数年かけて資産の移動等をし、FAに効果的な状況を作り出しておく必要があり、それが出来ない素人にとっては常にFAの世界はアリスの不思議の国であり続けるだろう。

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  2. 匿名さの言われている通りFAの支給金額はケース バイ ケースで、一般化する事は非常に難しいです。一回目のFAに関する投稿で説明いたしたよう、同じCSSを使い「Meet Full Need」と公表している少数の大学で違うFAを支給しています。その続きで質問のあった項目を投稿しています。単なるFull Needed Baseの大学は、Gapを残す方が殆どでしょう。
    FAFSAは米国政府によるFianancial Aidを査定します。私立の各大学はCSS(Institutional Method)を使い独自の査定方法を追加して大学で支給するFinanacial Aidを決定します。私立のこの様な大学もFAFSAを使いますが、米国政府によって支払われるFinancial Aidの部分用です。FAFSAとInstitutional Methodの計算方法の解説書が発行されいます。FAFSAは、米国政府の方法ですから各大学が同じように使っている筈です。しかし、CSSは各大学毎に夫々の取り扱い方法に違いが有るので対策を各大学毎に合格も決る前に資産を調節するのも無理があります。(入学時に提出した資産構成を2年生時以降に大きく変えると無効とされます。)もっと厄介なのが、同じような収入と資産でも支給に違いがある事です。Preference Treatmentにて差を出し、FAのAppealの時にも差を出しています。しかし、大学が自分の資金から支給するFinancial Aidです。大学が使いたい方法で行っても問題無い筈です。面白い最近の例がこの記事、
    When Families Ask Colleges for More Money
    、に載っています。
    Financial Aidでもっとも大切な事は、合格したら支給される事が当たり前と誤解されている方がいますが、それは間違いである事です。またEFCは各家庭が支払う万遍に決められた学費では無い事です。EFCは米国政府か各大学が勝手に決めている各家庭が払えるとしている学費です。

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