9/08/2011

大学が必須としない追加書類提出への注意

スクールプロファイル、クラスランク、有名人からの推薦状、賞状の複写等と自分が志願者としてどれだけ優れているかという情報を多く提供する事を取り止めも無く薦める方々は後を絶ちません。受験者側主導、補足情報の供給とし、確かに受験者にとっては聞こえがいいです。許される限り、そして利点と戦略を考えた上でなら効果的でしょうが、何でも追加書類を作れば良いのではありません。その上、其々の書類は決まった使い方があり、志願者の都合によって変えても無駄な行為になってしまします。

アドミッションオフィサーは短時間で多くの書類を読むため、入手したい情報は一般に定められた使用用途に基づいて各書類に目を通して探します。的確に速く情報を伝えるには誤った使い方は避ける必要があります。知らせたい情報は読み手を考慮して正しい書類を使い、大学の定義に基づいた使用をしましょう。

各大学は必須提出書類、オプショナル提出書類がリストされています。そして、志願者が勝手に出す書類です。志願者はこの違いは注意して取扱う必要があります。特に使い方を誤ると伝えたい情報を読んでもらえなくなってしまいます。そして、各書類の用途。誤った使用をしないように注意します。志願者自身が自分の理屈で必須な書類と決めるのではありません。

簡単な例で、推薦状。これは、皆さんも十分ご存知でしょうが、米国では高校のカウンセラーと教師により書かれるのが通常です。多くの大学は、2通の推薦状を必須とする所と3通の推薦状を必須としています。ここで、話題になるのはもう一通追加の推薦状提出を如何に思うか。勿論多くの方は、志願者を薦め、志願者の為になる事を大学に知らせるのだから良い事と言われます。もし、大学が読まなければそれまでやる事はした。しかし、これは余りにも無責任な発言です。一通余分な推薦状を提出すると大学は如何に扱うかを確認した上でアドバイスをするのが大学志願者への本当のアドバイスです。

2通の推薦状を必須とする大学に3通の推薦状が送られたら、アドミッションオフィサーはどうするでしょう。必須である2通の推薦状を読む義務はあります。監査基準も後でありますから、必ず2通読みます。しかし、3通の内どの2通を読むかは、オフィサーの勝手です。志願者が読んで貰いたいと思っていた先生からの推薦状を読んでもらえるとは限りません。勿論2通読んだ後に興味を持って3通目の推薦状を読んでくれる可能性もあります。しかし、多くの生徒さんには一番書いて貰いたく、アドミッションオフィサーに読んで貰いたい先生の推薦状があります。その先生の推薦状が読まれない可能性を把握してでの追加推薦状の決断をするべきなのです。その説明なしで、追加をアドバイスするのは無責任でしょう。志願者に取っては是非読んで貰いたいもう一つ追加の推薦状でも必須書類にはなりえないのです。

次にオプショナルな提出書類で、絵や音楽のテープ等です。これも、大学がオプショナル提出書類と書いてあれば、必ず読みます。(絵や音楽は読むではないですか)また、各学部の教授に判定をして貰ったりします。自信があり、プラスになる物なら提出するべき物です。

次に高校のスクールプロファイル。大学の提出書類の中にリストされているでしょうか。どの大学も必須書類としていません。これは、高校の紹介状です。最近は、既に多くの米国の高校は作っていますが、これは、アドミッションオフィサーに高校のレベルが全国または州で何処に当たるかを説明しています。地域担当アドミッションオフィサーは大抵地域の高校を知っています。よって、補助として使うのに便利な物です。しかし、日本からの留学生の場合はこの様には行きません。日本地域担当のアドミッションオフィサーは他の国や地域も兼任ですから、全ての高校のレベル判断は無理です。よって、留学生の成績と他の資質で興味を持った生徒の高校を調査会社や日本の卒業生組合等を通して調べてもらいます。アドミッションオフィサーはスクールプロファイルを読む義務はありません。また、調査会社等に依頼するなら時間をかけて自分で判断を試みる事もしません。こんな書類に志望者の業績や学力に関係した事を書いて貰っても意味がありません。むしろ、1句か2句程度で短い学校紹介を推薦状に記してもらい、それを発展させる形で志望者の個性と特徴と業績を訴えてもらうほうが得策です。枠内の推薦状は必ず読んでもらえますから。読む読まないが先方次第な書類に志願者の読んで貰いたい事項を載せるのは効果に欠けます。

高校が既にスクールプロファイルを毎年製作しているのなら、送って貰いましょう。これこそ本当の追加書類です。でなければ、志願者が知らせたい事で決まります。志願者個人では無く、高校を紹介して貰いたきたいのなら、スクールプロファイルを作って貰えばよし、個人に関わる情報が入り、アドミッションオフィサーに必ず読んで貰いたいのなら、他の方法が有利なのはもう理解して頂けるでしょう。

最後の例として、クラスランク。これは、大学は高校がクラスランクを作っていれば提出。無ければ未提出とされています。志願者の希望では無く、高校の方針で決まります。CommonAppに自己申告クラスランクがあり、よく質問されるのは、高校はクラスランクを出さない方針だが、自分は上位#%のはずだから、書いてもよいか。一般に薦められているのは、高校の方針通りりに書く。成績表に書かれているクラスランクと一致するのが上策とされます。よって、高校がno rankなら其れを選択。

日本の場合も同様です。米国の日本地域担当のアドミッションオフィサーは日本の教育を知っています。無理をして高校に一貫性の無いクラスランクを作らせ、書類に書き込んで不審を持たせても不利。むしろ、必ず読んで貰える推薦状に首席候補等と書いてもらうのが得策です。名門大学へは、首席も5位も同じ扱いをされます。クラスランクでは合否は決まりません。

ポイントは自分の読んで貰いたい事は読み手を考えて組み立てる。大学の必要書類、必須書類と定められているか。自分が読んで貰いたいから勝手に必須書類と呼んでも無駄です。読んで貰いたいのなら、アドミッションオフィサーが読む義務のある書類の中に取り入れて願書を作り上げていくのが戦略です。読み手に自分が勝手に必須書類と決め付けて送っても、扱いは先方次第になってしまいます。勿論志願者が自分で提出したい物は提出するべきであり、後で悔まないようにするべきです。志願者自身の決断です。しかし、期待を正しく把握する事です。

最後に、何人かアドバイスを出している方々で、自分は意見を出しているだけ、意見だから全て等価としていますが、志願者やその御父兄方は、アドミッションオフィサーの動向無視した意見論でかまわないのでしょうか。追加推薦状で紹介した無責任な意見をアドバイスとされてかまわないのでしょうか。志願者本人と家族の努力が有効性に欠ける事だったり、高校の先生方の労力がそっくり学校側の生徒への評価であり、先生方の行為はいわば無形の推薦状であれば有効性は無くてもかまわないのでしょうか。読まれなかったら、其れはしかたが無かったと言って済ましている行為、かまわないのでしょうか。査定過程で有効な書類制作を望んでいるのではないでしょうか。入学が目的なのでは。

4 件のコメント:

  1. CollegeConfidentialで成績が特別な理由で下がってしまった事を別途ノートを送るとかエッセイに書く事に対する質問に、カウンセラーの推薦状で説明してもらえと答えが毎回載る理由はこれなんですね。

    有難うございます。

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  2. 日本の高校生です。Admission Officeに学校での模試の結果等を伝えたいと思っているのですが、それはTeacherかCounselorどちらに書いていただく方がよいのでしょうか?

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  3. 一般にAdmission Officersは先生に授業などで表れる生徒の学習能力や態度が書かれているのを期待しています。どのようにクラスで議論に参加したり、貢献しているかが例です。高校全体の活動や家庭との関係等はカウンセラーからの推薦状に載っていると期待しています。学校での模試の結果等は、カウンセラーが良いでしょう。

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  4. どちらに何を書いていただけばいいか悩んでいたので助かりました。詳しく教えて頂きありがとうございます。

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