9/04/2011

一次査定行程と対策・戦略を考える (1 of 5 予定)

一次選択過程の流れを例に提出書類の使われ方を紹介したいと思います。貴方が出願に向けて何に重点を置いて対策を施すべきか判断し易くなるでしょう。

1人の貴方の高校が在る地域担当アドミッションオフィサーによって最初の選択を行う大学、ほかの地域担当や教授と地域担当アドミッションオフィサーの2人で最初の選択と行う大学と違いがあります。留学生に対しては、インターナショナルアドバイザーがアドミッションオフィサーと共に行う大学もあります。多くの志願者が集まる名門大学ですので、各担当者が各志願者に掛ける時間は平均15分程度とされています。この短くもあり、長くもある15分で貴方の魅力を理解してもらって、担当者を貴方の見方にしなければなりません。

先ずは貴方の学力を通知表で確認されます。GPA,履修科目とそのレベル、SAT等と総合的に考査され、一項目が優れているからと合格にしてもらえません。大学のウェブサイトで最低履修科目が表示されています。担当者は通知表に最低この履修科目が載っているのを確認し、各成績を見て行きます。またAPのクラスの多さ等も判り、Rigorの程度が確認されます。

上位(難関)名門大学には成績優秀な生徒が志願しています。殆どの生徒は"A"でほんの数科目"B"の成績が載っている通知表です。日本からの高校生なら、殆どが「5」で「4」が少数科目有るか無いかです。毎年膨大な数の通知表を見てきている担当者です。彼らの期待している"A"と"B"の比率があり、即座に十分な成績か判断されます。勿論高校のレベルによる調節は行われます。高校が在る地域担当が決まっていて、その担当者が最初に目を通す理由です。担当者は地域の高校の知識を得ている訳です。馴染みの無い高校からの志願者の場合は、高校のプロファイルのSAT平均スコアや卒業生の過去の進学先を見てレベルを判断します。経歴長く存在する私立名門大学の担当者が馴染み無い高校からの生徒は目を見張る程の成績が必要でしょう。

標準テストのスコアは成績によって期待するスコアレンジが有り、その範囲に入っていれば問題ありません。全て"A"なのにとても低いスコアであったり、"B"の多い成績なのに高いスコアの場合特別な注意のメモが記されます。多くの名門大学は一発勝負で特別な練習にてスコアを上げる事のできる標準テストより通知表の成績に重点を置く傾向にあり、優秀な成績で低目のテストスコアの生徒の方が高いテストスコアで見劣りする成績の生徒より一次選考を通過するようです。日本からの留学生の場合は、この時点で英語力の判断が加わります。授業を受けるのに十分な英語力が備わっているかの目安として、TOEFLやSAT等のスコアが確認されます。

日本からの志願者の方々への注意事項として:高校のプロファイルは、全生徒を対象とした高校のレベルを紹介する印刷物です。上記に記したよう、全校生徒の標準テストの平均点と州の平均点。近年卒業生の進学先大学を表示しています。毎年数十名の生徒をアメリカの名門大学に送っているとか大多数の生徒がSATやACTを受けてなければ比較材料として使えません。この情報を既に含んだプロファイルを高校が制作済みなら内申書と共に自動的に送る準備も出来ているでしょう。高校が用意していないのなら、頻繁に米国留学生を送っていないのでしょう。無理をして制作するの以下理由にて疑問です。スクールプロファイルとは別の方法で高校について大学は調査します。また、個人のために書かれた物は高校のプロファイルではなく、個人への高校カウンセラー提出書類の補助物と扱われます。無理をして高校にプロファイルを作らせる必要はありません。(1節2節の簡単な学校紹介の手紙程度で十分です。)その労力を貴方の推薦状に使ってもらった方が得策です。

日本の高校のレベルや概要確認は日本にある各大学の卒業生協会を通したり、専門調査機関を通して行います。貴方の高校での成績が優秀で(後に説明する)資質が認められれ、過去に入学生の存在しない高校ならばこの様にして調べます。貴方の高校を知る余地が無いとか大学に調べる能力が無いなどと心配する必要はありません。プロファイル等高校を紹介する書類は高校の優れた特徴が記されるでしょうが、短所は載りません。高校の大多数の生徒が受けたSAT平均スコア等の同じ対照項目が必要です。これでは、平等な評価が行えません。専門調査機関に依頼する事になります。日本のように歴史的に継続して留学生を送り、教育機関が高い標準で統一されている国の高校の問合せはそれぞれの卒業生協会に頼むケースもあります。

LACの知名度は非常に低いです。米国内でも低く、日本ではかなり低いでしょう。「数年前までは誰も名門総合大学以外の名門LACを志望先にする高校生はおらず、自分のウェブサイトの活動ではじめて名門LACに最近志望する高校生が現れた」と自負する方もいますが、現実は、名門LACへの進学は昔からいました。Bryn Mawr Collegeへ行かれた津田 梅子やAmherst Collegeを卒業された新島 襄の時代からです。各私立名門大学(総合もLACsも)立派な卒業生組織を日本で活動しています。必要なら米国と同様に在日卒業生を通して志願者の面接等も行います。アドミニストレーションズオフィスに連絡をしたら、卒業生協会から返事を受けた方々もおられるでしょう。

Common Appの自己申告クラスランクや高校提出クラスランクも高校が正式に作っていないのなら無理をして高校に作らせたり提出する必要はありません。クラスランクは高校が正式に毎年制作し公表しているなら提出。そうでなければ見提出。全ての名門大学は高校に判断を任せています。高校の方針で決まりです。大学は高校の未提出の方針で志願者を不利に扱いません。上記のよう貴方の成績は内申書の内容で行われます。日本にも5千を超える高校があり、5千を超える高校首席、次席といます。5千の高校が同じレベルで同じ教育を行っていないのは承知しています。貴方の高校から同じ名門大学へ志願する生徒がいるならクラスランクで比較ができますが、違う高校のクラスランクを使って生徒を比較できないのも十分承知しています。また、USNewsの評価でTop10%を使われているとして、Top10%内外や未提出として不合格にする等不合理な事は行いません。正式に無い物を有るかの様に作り上げたクラスランクを提出して、嘘偽りの書類提出とされて退学や卒業無効にされる心配を生まないで下さい。内申書に首席とか3百人中5番と書かれていないのなら未提出。首席候補ならその旨推薦状に書いてあれば十分です-でも「高校はクラスランクはつけず」になります。

米国高校に戻りますが、同じ高校から複数の生徒が志願している場合はGPAと履修科目、AP等の履修頻度で大学独自に順位付けをする可能性は高く同級生の動向が影響するのは仕方ないようです。また、大学は独自のデータベースを用意していますので、同級生に限らず過去数年の合格させた同じ高校の卒業生達と比較順位付けも行えます。其の合格させた卒業生の大学での成績と比較しながら査定を行う事もあります。複数の志願者が同級生にいなくても、過去に志願者がいれば比較されています。ここにNaviance使用の強みが出てきます。Navianceを使用して過去の卒業生の結果と自分の現状比較を散布図で行います。若干SATが低くてもこの過程において大学が作るクラスランクで上位合格グループに入ったりします。ここにクラスランクの重要性がでてくるのですが、高校提出のクラスランクが大学がそのまま使用する訳ではありません。大学は必要に応じて作り直します。未提出の高校でも独自に作れます。

"5"の多さと"4"の数等で成績を評価して、履修科目で授業内容と難しさを確認、そして、共通テストで学力レベルを全国基準で再確認されて、学力の評価点がファイルに記されて他の項目に入ります。大学で授業をこなせる学力があるか、他の学生全般と同等な学力を示しているかを見定めると他の査定項目の審査に移ります。専門職であるアドミッションオフィサー達には短時間で処理できるのも理解されるでしょう。

では次にエッセイと履歴により資質、個性、魅力を判断過程に触れます。

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