9/29/2011

一次査定行程と対策・戦略を考える (2of 5)

学力をチェックした後は、推薦状、履歴とエッセイを査定して個性と資質で個人の魅力を測ります。日欧の大学や米国中堅大学と若干違い、米国の上位私立総合と上位私立LACsの大学に強調される部分ですが、アドミッションオフィサーの主観性に影響されるこの項目で表現される志願者の魅力が合否結果を大きく左右します。

日本的な考えでは学力が主で、資質等を測る項目は二次的資料と考える方々がいますが、私立名門は大学のミッションにあった学生をこの資料を基に選択していますので、非常に重要視しています。学力と資質等に対する査定割合等は大学によって違ってきますが、一般に思われるより大きな比重を持っています。LACsは特に個性を強調しますので、資質、個性に比重を多く課す大学でしょう。一つの例が、Reed大学が卒業生向け雑誌に掲載した記事に「①高校の履修科目のRigorレベル、②成績とクラスランクとSATかACTのテストスコア、③推薦状と面接からの個性と知性、④エッセイ(表現力)、⑤課外活動や奉仕活動等への取組み、の五項目を均衡の比重で採点して総合査定採点を付ける」と記しています。

こうなると学力関係は全体の2/5の比重しかありません。標準テストと成績表(GPA)とクラスランク3つで1つの項目を構成している点は興味深いのではないでしょうか。数字で表示される学力の優秀さは一まとめで評価されてます。厳選度の高い大学は多くの成績優秀な志願者達が出願しますので、合否の鍵を握る査定項目は学力以外の項目が重要になってきます。では、アドミッションオフィサーが期待して、どの様な点を見ているのでしょう。

アメリカの先生による推薦状は、日欧の推薦状のように学習能力に関する内容では無く、個性と学習態度やクラスでの発言力やクラスへ参加する積極性等が書かれている事を期待しています。高校のカウンセラーからの推薦状には教室外に関する活動を基に個性や資質関する事柄が書かれていると期待しています。病気や特別な已むを得ない理由で成績が下がったりした場合にはカウンセラーの推薦状で説明してもらるのも一つの使い方です。アドミッションオフィサーは推薦状より、各志願者の学校での活動や授業への参加状況を把握し、グループ内でのリーダーシップやメンバー間の強調度や仲介能力を読取ろうとしています。

面接は殆どの大学はオプションとしていますが、機会があれば行うのがよいでしょう。面接では、個性一般を卒業生によって行われ余り重要と思われませんが、大学によってはアドミッションズオフィスより指定された質問項目が面接担当の卒業生にEmailによって連絡がある場合もあります。面接が予定されていなかったのに合否発表真近に突然の面接問合せや、2度目の面接問合せが大学より来た場合は合否の鍵となる可能性があります。志願者の行ってきた活動や熱意を面接により確認したいのでしょう。

エッセイでは志願者の表現能力が示されると共に、志願者の興味、熱意、知性が現れます。アドミッションオフィサーは、志願者の作文能力を査定しているだけではありません。文章構成や誤字は一定の標準を保たなければなりませんが、エッセイの中で志願者の個性や興味、大学に対する進学熱意等を知的に纏め上げる必要があります。「なぜ○○大学に進学したいのか」の課題には大学をどれだけ理解して具体的になぜ○○大学を選択して、何を期待しているかを書くようにします。この内容が、志願者の高校時の履修科目と課外活動や推薦状で裏付けされるようでないと弱いものになってしまいます。エッセイを他人や専門業者に書いてもらっても上手に行かない理由の一つです。厳しい競争の中から選ばれる合格者のエッセイは担当アドミッションオフィサーに覚えられます。合格者用大学案内イベントへ出席すると、よくアドミッションオフィサーが合格者と書かれたエッセイの詳細にわたる感想や意見交換を行っているのには驚かされます。

課外活動や奉仕活動への実績は何でも多ければよい訳ではありません。幾つかの活動に挑戦している事も大事ですが、1つ2つに特化した志願者の興味と深いく長い間の参加とリーダーシップ的役を期待しています。この活動経歴を元に志願者が大学在学中に参加する活動を推測します。大学によっては、提出された志願者の各活動の時間を週単位でまとめて時間配分が可能なのか確認を取ります。多くのボランティアの時間や課外活動に割く時間にして上乗せをしたりしているのが発覚するケースがあります。受けた賞やスポーツ記録も履歴へ載せます。スポーツ等の団体活動への参加は以外と高い評価を得ます。レベルは別として、志願者の活動経歴であり、個性を訴える資料です。大切に取り扱われます。

次にアドミッションオフィサーの期待を考慮して注意すべき事柄の対策や構成を項目毎に考査しましょう。

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