1/02/2012

Admissions プログラム (ED EA RD) と Financial Aidsの関係

EDやEAのプログラム実施理由に運動選手の確保、成績優秀な入学第一希望者達の確保、レガシーや高額寄付金をされた家族子女への待遇等があがります。しかし、大学側がEDやDAのプログラムを提供する大事な理由の一つは大学の収入確保(増加)です。


EDにより、大学は収入源である「費用を全額支払う家庭の子供」を確保する事ができます。EAにより、大学は収入源であるこの子供達を対象に絞った選択の機会を最大化できます。大学にとってDEやDAで使うFinancial Aidsは、後程RDで大学が最も欲しる学生達を引き付けるのに使う資金への妨げになります。大学側は、Financial Aidsへ割り当てた予算を早い時期には保存しようとします。よって、全体の学級構成を参考にできるRDの決定時にAdmissionsとFinancial Aidsの最終決定を行うようにします。

Early Programで勧誘された運動選手等のフックが無い一般の学生でFinancial Aidsを希望する学生はDeferredされる可能性が高くなります。これは、志願者の成績や資質や大学に対する興味度に欠けているのでは無く、大学側のenrollment managementに基づいた方針による結果になります。大学はFinancial Aid支払いを避けようとしているのではありません。早い段階ではFinancial Aid用予算圏内でいたいだけです。RD終了時には予算全額を新入生に使用するように努力します。need-based aid の大学はFinancial Aid用予算に見合ったneedを必要とする人数の学生を入学させようとします。merit based の大学はneedとは関係なく大学が入学して欲しいとする学生に使用します。

need-awareの大学がAdmissionsがneedを合否事前に志願者家庭の資産を確認しながら、大学がその学生に対する興味度によって合格やFAが決定されるのはご存知でしょう。need-blindの大学は一般Admissions判定過程で「費用を全額支払う家庭の学生」を選択していきます。各家庭の住んでいる地域Zipコードにより地域の平均年収や資産、私立高校の学費、今まで進学してきた高校からのFA支給率や全学費支払いの学生率と数々の項目で学生の資金力の予測が行えます。一個人では誤差はでますが、学級レベルでは非常に高い率でコントロールされます。

Early ProgramでDeferredになる事は已む終えませんが、これは決してFinancial Aidsを志望すると不利になるとは限りません。大学はFinancial Aidを効果的に使いたいのであり、学力や資質をもった魅力的な学生をFA援助を使って進学してくれる事を望んでいます。RDの段階では、各志願者の魅力が第一になります。


ただ、EDだとFinancial Aidの提示額に対しての交渉力に欠けてしまいます。FAが重要な家庭はやはり避けるべきでしょう。RDかせめてEAの大学を選択する方が無何と思われます。EAでも、Financial Aidの提示額がRD志願者よりも低めになる可能性があるとするカウンセラーもいます。また、Finanical Aidに不慣れな高校のカウンセラーによっては推薦状で家庭の財力を述べる場合があります。厳しい家庭環境にも関らず頑張って優秀であると、Diversityに関連させて魅力を出しているのでしょうが、たとえ私立高校や高額所得地域に住んでいても、need blindの大学へも家庭のFA必要性を述べています。EDやEAの段階では、気を付けましょう。


以下の表は、USNewsの総合大学とLACsの上位校です。毎年同様に約50%前後の割合で全額支払いの家庭とFAを受けている家庭になっています。各大学はこの半数の学費を全額支払う学生を確保しなければなりません。また、FAを受ける学生のなかも、上手にFinancial Aidsの予算に見合った学生家庭構成に作り上げなければなりません。各大学の平均支払い額が載せてあります。FAを受取っている家庭はこれら金額を支払う事が期待されています。

一般にFAを志望すると合格率が悪くなると言われますが、この傾向が大きく現れるのはLess selectiveになる上位難関(人気)大学より若干ランクの下がった大学です。High selectiveな上位難関大学はYieldで上増しした合格者数の数倍の学費全額支払い希望者が出願しています。学費が全額支払い能力は合格への鍵にはなりません。無理にFA申請を避けても、申請しても合格率に差は出ません。志願者の魅力によって選択されています。

学費全額支払い能力が利点になるのは、全額支払いの生徒を求めているLess selectiveでendowmentsの少ない私立大学や州外からの学生枠を大きくして州外からの学生を求めている州立大学へ州外からの志願の場合でしょう。

Ivy Leagueの大学は多額のendowmentsを持っていいますのでLACsに比べると多くの家庭、高所得者(資産)家庭へFAを出している事も分かるでしょう。

大学名 新入

生数
FA

授与者
割合 総額

学費
平均

FA額
FA後

学費
平均実質

支払学費
Harvard 1,670 1,053 63% 52,650 44,053 8,597 24,873
Princeton 1,302 790 61% 49,069 36,912 12,157 26,672
Yale 1,305 782 60% 52,700 39,282 13,418 29,161
Columbia 1,391 746 54% 56,310 40,259 16,051 34,719
Cal Tech 222 118 53% 49,380 33,494 15,886 31,577
MIT 1,078 713 66% 52,507 37,874 14,633 27,457
Stanford 1,674 827 49% 52,341 41,415 10,926 31,881
Univ of
Chicago
1,387 645 47% 56,413 38,991 17,422 38,281
Univ of
Pennsylvania
2,404 1,116 46% 53,976 35,264 18,712 37,606
Duke - - 53,905 -
Dartmouth 1,094 588 54% 55,365 40,433 14,932 33,633
Brown 1,499 736 49% 53,136 37,355 15,781 34,795
Cornell 3,179 1,634 51% 54,695 37,846 16,849 35,242
Williams 548 289 53% 54,560 41,672 12,888 32,583
Amherst 490 299 61% 54,098 40,441 13,657 29,421
Swarthmore 388 205 53% 53,250 36,825 16,425 33,793
Pomona 401 210 52% 53,110 38,754 14,356 32,815
Middlebury 603 249 41% 53,800 35,640 18,160 39,083
Bowdoin 493 199 40% 54,470 35,470 19,000 40,152
Carleton 512 266 52% 54,180 33,708 20,472 36,668
Wellesley 574 322 56% 53,250 37,251 15,999 32,353
Claremont
McKenna
282 115 41% 55,865 35,419 20,446 41,421
Haverford 335 153 46% 55,050 38,054 16,996 37,670

5 件のコメント:

  1. こんな一般人の知り得え無い情報を提供してくださってありがたいです。特に在米でない私たちにとっては初めて聞く事です。
    おかげさまで,我が家の出願もどうにか終えて,後は結果を待つばかりとなりました。いろいろ助かりました。

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  2. peachesさん

    この春に多くの好い知らせが届きますよう、願っています。

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  3. いつも有益な情報、ありがとうごおざいます。


    >各大学の平均支払い額が載せてあります。FAを受取ってい>る家庭はこれら金額を支払う事が期待されています

    とありますが、入学者のなかには、全額学費を支払う生徒もいれば、FAで学費が全額カバーされる学生もいるのでしょうが、おしなべてこの表の一番右の欄の「平均実質支払学費」として記されており、各校の在校生が支払っている平均学費という事ですよね?
    ですから、FA申請して、FAが支給される事になっても、この右の欄の学費程度は支払う事が期待されているという事ですよね?

    また、EDで出願するのであれば、FAが低めに抑えられる可能性があるため、この学費より若干高めといった感じでしょうか?

    留学生にNeed Blindは数校のみですが、上に述べられている事は、留学生も同様と考えてもよろしいのでしょうか?

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  4. 「平均実質支払学費」は各校の在校生が支払っている平均学費ですから、本来その大学が全員に課す本来の学費(授業料と寮費)と考えるとよいのではないでしょうか。または、大学が各入学生から(平均額で)徴収しなければならない学費です。誰かに割引したなら、その分超過額支払ってくれる家族を見付けなければならない訳です。

    HYP等は、巨額のendowmentsなので、全員無料でもかまわない筈と言われていますが、表の金額徴収しているとも言えます。昨今の州立の費用と比べると、考えさせられる金額と思います。

    「FA後学費」が各大学でFAを受けている家族が支払っている平均です。FAを受けている家族は各大学でこれだけ支払う事を期待されてると考えるのでしょう。

    大学の立場だと、EDでFAを支給する家庭では出来るだけ「平均実質支払学費」に近くしたいでしょう。「FA後学費」と「平均実質支払学費」の差が大きい大学程、その立場は強いと見るべきでしょう。

    例えば、Need Blindの大学で、毎年日本からの留学生にはFAを多額支給する必要があり、韓国からの留学生は皆Full payなら、この大学は今年の日本からの志願者と韓国からの志願者のどちらがFAを必要としていると考えるでしょうか。または、third countryからの志願者でも政府高官の子女に対しての支払い能力をどの様に期待するでしょうか。

    もし、日本からの留学生のほとんどがFAの必要が有るのなら、今年の志願者も同様と考えるでしょうし、FAを支給する意思があるのなら無理してEarlyに入学を決定する必要も有りません。Deferredにして、RDで全ての志願者の中から最も魅力のある生徒を選抜したいのは理解出来るでしょう。限られた合格者数なら、学費支払い能力よりも大学に対する生徒の魅力が優先するのも理解できるでしょう。FAの予算は使うためにある事も事実です。

    Earlyでは、Need AwareとNeed Blindの差は、Highly Selectiveな大学では余り差がありません。むしろ、FA額を考慮した上で合格を出すNeed Awareの方が、FA額を出来るだけ支給する意思を持っている分、志願者の魅力が有るのなら十分なFA額を支給する可能性もあります。

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  5. 早速に丁寧なご説明、ありがとうございました

    EDやFAの申請と合格するか否か、これが一番の関心事ですが、貴殿のご説明で、大学側が立たされている立場もよくわかりました。

    出願パッケージでは、標準テストの成績や学校の成績、クラス順位など、重要ではありますが、大学側とすれば、つまるところ、優秀でかつ、魅力あふれる学生を入学させたいと思っているという事を、貴殿のブログをずっと購読してきて、改めて感じています。成績が優秀だけではだめだし、全額学費を払えるから合格、FAを申請するから不合格になる確率が高くなるといった、単純なものではなく、有名校は文字通り懐自体が深いわけですね。

    出願者が大学に”欲しい”と思ってもらえるのは、お互いがFITしている事が重要で、FITしていれば、そこに重点をおいて、出願者は自分の魅力をアピールするようなパッケージに仕上げて行く事が可能になると思います。また、大学側のツボも押せますよね。

    FAの事と、このFITや学生の魅力をアピールする出願パッケージというのは、貴殿のブログで色々と勉強させていただいており、今まで別の事のように思っていましたが、今回、すべてがひとつのラインで結ばれたような気がします。

    いつも素晴らしいアドバイス、ありがとうございます。

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