6/10/2011

School Profile (スクールプロファイル) とは

アメリカの高校教育は各町やそのレベルの学校区で管理運営されています。日本の様に国家レベルの文科省の管轄で統一された学校教育法施行規則に基づいた高等学校教育課程みたいな物はありません。よって、各高校の教育方針、提供するクラス、成績のつけ方、教育費の割当と全て学校区で決められています。国や州レベルで最低の方針や卒業の為の共通テスト等を作っていますが、教育の詳細は学校区が仕切っています。APやIB、Honorsも全ての高校に有るクラスでは無いのです。アメリカでは高校を卒業していても、大学が最低必要としている全科目を修了しているとは限りません。

大学はアドミッションオフィサーに専門の地域を割当て、その地域の学校を出来るだけ知る努力をしています。それと同時に各高校は、自分の高校の紹介を兼て学校の教育方針、成績のつけ方、クラスの種類等説明書類を作っています。これが、School Profileです。注意して頂きたいのは、これは学校の案内書です。決して生徒個人の学力を示す成績表や推薦状の代わりや追加ではありません。生徒個人の情報は書かれていません。

Profileには、高校の特徴と教育方針、卒業に必要な最少の科目等が説明されています。IB, AP、Honors、Regularとその他の提供しているクラスのリスト。(学校区で提供されているクラスは全く違います。日本の様に統一されていません。)AP試験を受けた生徒の人数や平均値。SAT I を受験した生徒の数と平均値。SAT II subject 科目毎の平均値、4年制大学や2年制大学への進学率等、高校のレベルを示す項目も記されています。高校によっては最近の卒業生の合格した大学や進学した大学のリストを載せています。

GPAの分布やクラスランクの分布を載せている高校も幾つかあります。アメリカの高校では、学校区の方針でAを滅多に出さない高校や、C以下を滅多に出さずに殆どAかBしか出さない高校があります。よって、GPA分布を載せて突飛した傾向が無い事を暗示させたがります。しかし、前に説明しました様に、違うレベルのクラスがあり、若干のGPAへの追加点でWeighed GPAとして調整しても実質の学力の差を数字で表現できません。全てUnweightedGPAで分布を出している高校も多くあります。クラスランクも同じ事情です。よって、大学はこの分布やクラスランクは補佐的情報として扱います。クラスランクは既に全米の半分以上の高校は載せていません。スカラーシップ等でクラスランクが必要な場合は、大学アドミッションオフィサーが高校のカウンセラーに電話で問合せます。

日本からの留学生は、このProfileを高校に出して貰うのは良い事でしょう。しかし、注意して頂きたいのは、これは学校案内である事。アメリカの名門大学は毎年日本からの留学生を迎えています。日本の文科省が高校教育課程を管轄しているのは承知しています。5段階の成績表システムも知っています。学校区でテストによる順位で縦割りの高校入学試験制度も知っています。この様な基本的な事は簡単に済ませ、高校の特徴を確りと書いて貰いましょう。名門校に志願されるのですから、殆ど優(5)の成績でしょう。この成績表とSAT等のスコアで学力の証明は出来る筈です。学校が作っていないのなら、無理をしてGPA の分布やクラスランクを作ってもらう必要はありません。むしろ、他の学校と違う特徴を訴える物を書いてもらう事が大事です。

個人に割かれる査定時間は一人当たり10~15分です。学校案内に多くの時間を割かれて、注目して欲しい自分に関する事やエッセイを読んでもらう時間の方が少なくなっては困ります。簡潔な目的に合ったProfileに仕上げてもらいましょう。成績表と他の提出書類によっては、アドミッションオフィサーはProfileを見ない可能性もあります(学校の案内書で、貴方については書かれて無い筈ですから。個人に関しては、推薦状か成績表の特記事項欄に書き込んで貰います)。

此処に例として3校のSchool Profileのリンクと解説を投稿してあります。

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