5/26/2011

Ivy Leagueの個性や人格による志願者の選定

Ivy Leagueの大学に進学するには、高校の優れた成績は勿論、いろいろな課外活動の功績が必要な上、エッセイや推薦状で個人の指導力、魅力や人格を強調しなければならないとされています。むしろ、過半数の出願者の学力は入学を認められるのに十分な成績を持っており、成績以外の要素によって入学許可が決められていると信じられています。

社会学者は、教育効果と選択効果を区別します。例えば軍隊は、主として教育効果の機関です。体力や学力によって受験者の成績を前もって判断する巨大な入学審査部は無く、軍隊の基本訓練によって各個人を抜群の戦士に育てると確信しています。これに対象なのがファッションモデル事務所の様な機関での選択効果です。モデル事務所に契約したからといって美人になりません。既に美人なのでモデル事務所が契約をしてくれるのです。

アメリカ人のIvy Leagueに対する執着心の元は、Harvard等の学校は社交的で知的な意味で、軍隊でいう基本訓練 - 普通の州立大学では与えられない、立派な教授によって教えられ、やる気のある学生同士で競い合い、名誉ある大学名の学位を得る - を与えてくれるという信念です。同等なSAT共通テストの成績の二人の学生の内、一人はHarvardの様なの学校に行き、もう一人は競争率の低い学校に行った場合、Ivy Leagueの学校へ行った生徒の20年後の所得が突飛しているという研究発表が、教育効果の考えを仰いでいます。

しかしIvy Leagueによる志願者選定過程を非常に強調している事実は、軍隊のような教育処理効果の機関よりも、モデル事務所に似ています。また、上記の二人の学生の比較の研究の欠点も指摘されています。同等な成績の学生でも、Harvardに入学した学生の方がより意欲的で、精力的で人柄のいい可能性が高く、この違いが成功の理由とも考えられます。Ivy Leagueでの教育効果を調べるには、同じ上位有名校に入学を認められた学生の中で、その上位有名校に進学した学生と何らかの理由でその有名校ではなく下位校に進学した学生同士で比較するべきです。Alan KruegerとStacy Daleによるこの様な研究結果が2002年に執筆されています。それによると、有名校の効果は無いとしています。Kruegerによると、名門校の平均的な卒業生と中堅大学の平均的な卒業生の年収を比べるとかなりの差が有る。しかしこれは、名門校に入学した学生達の能力を学校の教育効果と決め付けているだけで、同等の能力と意欲のある学生はどの学校を卒業しても同等の成功を卒業後達している。

Harvard、YaleとPrincetonは、志願者選定の基本を「最良な卒業生達」を世に送る事としています。フランスの高等師範学校エコール・ノルマル・シュペリウールや日本の東京大学等世界の名門大学は、志願者による大学で発揮しえると思える最高の学力を選択の基本としています。しかしIvy Leagueの学校は、卒業後に最も社会的貢献に成功をすると思われる学生を選定している。その為、志願者の個性や人格を選考時に強調する必要を正当化しています。Ivy Leagueの関係者は、単純に学力だけではなく、指導者や指導力を求めていると信じています。(あるIvy Leagueの学長は)輝かしい学力だけでは、読書狂や研究室だけで働く科学者を育てるだけで、Univ. of Chicagoのように社会に無関係な存在になってしまう。一定の学力を超えているのなら、将来社会に与える影響と貢献のために唯一重要な事は、個人の持っている内に秘めた力の強さである、と。

続きは、此方にLACsの大学。


(Ivy Leagueのこの様な選択基準は、人種や所得階層の区別選択の言い訳と批判しているグループもいます。)
(Selectiveな大学とLACsもミッションステートメントに忠実で、高校の成績だけでは合格できません。)

3 件のコメント:

  1. このThe New Yorkerの記事(Getting in)は、当時私の周りでも大いに話題になりました。

    軍隊とモデル事務所の例も実に説得力がありますが、
    IVY校のブランドマネージメントや、
    ハンター小学校の秀才児達の卒業後の追跡調査、
    またlaw schoolの合格者選びの話題などもおもしろい。

    私はハーバードのhappy-bottom-quarter’ policyにも賛同。
    IVYは、あくせく勉強ばかりしてきたブック・スマートには興味を持たないですね。

    我が家に遊びに来るHYPを含めた現役アイビー・リガー達をの話を聞いていると
    勉強もさることながら、実に屈託無く良く遊んでいて、笑いも絶えない。
    彼らの共通点は、このストレス・マネージメントの上手さと、
    スポーツや遊びに興じる余裕を十分に兼ね備えた強靭な体力かもしれない・・と、
    時々感じます。健全な精神は健全な肉体に宿る・・・とも言えそうです。

    記事が出た当時よりも、現在のほうがIVY合格へのハードルは一見高いように見えても、
    IVY Leagueの合格ポリシーは変わってませんから、合格者のタイプもかわらない。

    特出したアカデミックでの合格者達も必ず何か深くのめりこんだ趣味等があり、
    スポーツや芸術の才能による合格者達にも十分な学力があり、
    レガシー合格者も入学時は平均受験者より相対的に学力や課外活動等のレベルも高いそうです。
    大型寄付者の子弟は、たいていの場合金銭と将来設計の両方の不安がありませんし、
    貧困家庭の子弟も自分の家庭環境よりずっと恵まれた環境で学べる等、
    IVY合格者の多くが、それぞれに余裕を持ってカレッジ・ライフを過ごしているようです。



    Getting in (The social logic og ivy league admissions) by Malcolm Gladwell

    http://www.newyorker.com/archive/2005/10/10/051010crat_atlarge?currentPage=1

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  2. The New Yorkerは若干人種区別の要素を原本の"the Chosen"by Jerome Karabelより強調しているようで。

    処で昔に使っていた投稿の出所が分からなくなっていたので、有難うございます。

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  3. 分けてしまったLACsの部分の個性や人格による志願者の選定を投稿します。初めから一緒にしといた方が良かったのでしょうか。ブログを使っているから短く切って小出しみたいになってます。

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