6/28/2011

SATと高校の成績

Brown大学のFacts and FiguresがSATスコアレンジと合格率を示し、重宝がられ度々使用されます。之を見ると確かにSATのスコアが高いと合格率が高くなっています。満点は700点に比べると2倍の合格率が、満点でも5人の内4人は不合格です。他の要素で合否が決められています。

しかし、この2倍の合格率だけが一人歩きして、「アメリカ私立名門大学のSATスコアレンジを見れば標準テストによる学校順位と重要度が理解出来るでしょう。SATを出来るだけ満点に近付けるのが合格と奨学金獲得の近道です。SATスコアが足切り以下なら選定過程にすら進めません。SAT足切り以上のスコア獲得が最重要課題と認識するのが一番近道です。SAT満点なら合格は確実です。」というSATを崇拝するようなコメントをしてしまう方がいます。

少し古く2005年になりますが、Stanfordより以下の統計が発表されています。

SAT critical reading
カテゴリー志願者の割合合格率
700-80048%21%
600-69937%9%
500-59912%5%
500未満3%1%未満
SAT math
カテゴリー志願者の割合合格率
700-80063%17%
600-69928%10%
500-5998%4%
500未満2%1%
GPA
カテゴリー志願者の割合合格率
4.0以上62%17%
3.8-3.9920%10%
3.6-3.7910%6%
3.4-3.595%3%
3.4未満4%3%

之によると同じようにスコアが高ければ合格率は倍になっています。ただ、SATのスコアだけで無く、GPAの成績も全く同じ傾向を示しています。一般にGPA等高校の成績の優秀な生徒はSATも高いスコアを取ります。殆どのSAT高スコアの生徒は同時に優れた高校の成績のカテゴリに属しています。SATで高いスコアだけが合格率向上の要因とするよりは、高校の成績と共に高いSATが一つの要因とするのが妥当でしょう。

この手の議論はサンプルコントロールに問題がある為、どうしてもanecdotal evidenceになってしまいます。しかし、College confidentialサイト等でも度々議論される、高いSATと低めのGPAの合格率。高いGPAと低めのSATの合格率。どちらが良いか。

勿論高校の成績とSATが優秀なのが最高です。でも、合格できる保証は一切ありません。SATは数時間のテストで練習と塾等である程度短期間にスコアを良く出来るのに対し、高校の優秀な成績は4年間の長い期間の努力によるものと思われる為、一般に名門大学は高いGPAをSATの高スコアより好みます。一般に少々低目のSATスコアは高校の成績と他の要素で補えるとされます。それに引換え、高校の成績が低く目でSATスコアが満点近くあってもIvyや他の超名門大学は有名は進学高校で特にRigorなクラス選択をしていない限り、合格は無理といわれています。他の名門大学は高いSATスコアと特別なタレントと課外活動で十分補足できる可能性はあると思われます。

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