7/18/2011

Financial Aidと査定過程 - 其の1

下の表は、Need blind とNeed aware査定過程を取っている大学によるFinancial Aidの統計です。どれがNeed Blindの大学で、どれがNeed Awareの大学か分かりますか。どの大学も約50から60%の生徒に費用(COA) の50から60%Financial Aidを平均金額として支給しています。Need Blindの大学は、査定段階では合格者のFinancial Needを認知出来ないのでNeed Awareの大学のように予算に合わせてFinancial Needを支給する大学と違い大きく差がでてもよい筈です。何故皆同じような割合いでAidが支給されているのでしょう。

次の表はNeed Blindの方針を取っているPrincetonの過去10年の全校生徒に対するFinancial Aidを受けている学生の割合いです。

2010200920082007200620052004200320022001
60%56%54%55%54%52%53%50%45%40%

2000年当初にFinanical Aid方針を変えた時と昨年Financial Aid用予算枠を増やした時を除いては同じような割合いで上手にコントロールされています。昨年予算を増やしたら割合が確りと増えています。Need Blindで何故この様にコントロールできるのでしょう。此処で使用している統計は全て各大学のCDSから取って来ています。他の大学も調べてみては如何でしょうか。全てのNeed Blindの大学は同じような割合いを維持しています。何故か予算に見合った運営ができています。

以前SATのスコアは家庭の収入に最も関連していると紹介しました。収入が高ければ、子供のSATスコアが高い。ここでは、SATのスコアの高い子供の多くは、高収入な家庭の子供と言うべきでしょうか。上位5%や10%のSATスコア所得者が殆どの名門校に志願しています。大多数の志願者は、自然に高所得者層になっているとも言えます。自然と志願者の半数はAidの必要がない家庭の子供になるのでしょうか。

志願者のジップコード(郵便番号)で所得レベルが推測できるので、それを使ってFinancial Aidの予測が立てれらるともいわれています。ここで注意して頂きたいのは、大学は各個人レベルの誤りは大学全体に集積した時には小さな誤差でしか無くなり調節ができる点です。高所得者地域のある合格生徒がFinancial Aidが必要であっても、低所得者地域からのある合格生徒でFinancial Aidの必要の無い生徒と相殺される事もあり、「大数の法則」に沿っていきます。

多くの私立大学は、組織だったデータベースを用意しています。今まで大学に志願してきた生徒の成績。SATのスコア。以前に大学が独自にGPAを計算し直して独自のクラスランクを同じ志望者の高校で作ると紹介しましたが、実際には同じ年次だけでなく違う年の卒業生との比較もできます。入学してきた生徒の大学での成績と活動も同時に見る事ができ、判断材料にされます。勿論ボタン一つで其の年の志願者全体のSAT平均スコアや%レンジ毎スコアの参照もできます。今まで合格にさせた生徒のSATスコアレンジ、不合格決定生徒を除いたSATスコアレンジ等詳細の中間結果をコンピュータによって簡単に検索できます。

同様に、Need Blindでも逐次査定段階でFinancial Aid支給額の予想はできるし、Need Awareと同じ様なコントロールができます。でも、これは大学の運営プロセスでしかありません。志願者として、Financial Aidを欲している場合どうすればよいのでしょう。明らかにFinancial Aidを必要とするなら、支給される側に入るのは事実ですが、これではFinancial Aidを志望したから不利になったのか分かりません。また、個人によってAidの必要金額も違います。Need Blindでも Awareでも半数のAid受給、半数のFull Payと同じ様な統計数字です。少額のAidならAidに志願しなければ本当に有利になるのでしょうか。単純に白黒と区別できそうにありません。当統計の大学毎詳細とEnrollment Managementを含めて、考える必要があります。

続きは次回に。

大学名入りの下と同じ表は此処にあります

カテゴリA大学B大学C大学
新入生徒数1,6641,305 1,302
need-based aidに志願した人数1,173 813893
needを大学に必要とすると判断された人数1,043 782790
aidを支給された人数1,043 782790
needとされる全額が支給された人数 1,043782790
needに対し支給された平均%100% 100% 100%
平均支給金額$42,853 $39,282 $36,912
ローンで支給された平均金額$3,845 $1,772 Not reported
need-based スカラーシップかGrant平均支給金額 $41,341 $38,090 $35,713
need based aid以外の支給平均金額Not reported Not reported Not reported
卒業時の平均負債金額$10,102$10,717$5,225

カテゴリD大学E大学 F大学
新入生徒数490388 548
need-based aidに志願した人数343264354
needを大学に必要とすると判断された人数299 205289
aidを支給された人数299 205289
needとされる全額が支給された人数299205289
needに対し支給された平均%100% 100% 100%
平均支給金額$40,441$41,672$36,912
ローンで支給された平均金額$2,459$1,772 Not reported
need-based スカラーシップかGrant平均支給金額 $39,962$35,279$40,146
need based aid以外の支給平均金額Not reported $39,260Not reported
卒業時の平均負債金額Not reported $18,739$8,369

カテゴリG大学H大学I大学
新入生徒数512515 631
need-based aidに志願した人数317428481
needを大学に必要とすると判断された人数266 391398
aidを支給された人数266 391398
needとされる全額が支給された人数266391398
needに対し支給された平均%100% 100% 100%
平均支給金額$33,708$33,891 $34,718
ローンで支給された平均金額$3,916$3,172 $3,247
need-based スカラーシップかGrant平均支給金額 $30,179$30,021$32,713
need based aid以外の支給平均金額$3,368$10,313 $16,057
卒業時の平均負債金額$19,436 Not reported $20,989

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