7/17/2011

Financial Aidが必要な留学生の大学選択 - 其の3

「Financial Aidが必要な留学生の大学選択」「アメリカの留学生受入れ実態と中国人留学生」「難関校・挑戦校 (Reach)の選択」「理想的な大学とは」を投稿以来いくつもの質問をいただきました。多くの質問はFinancial Aidと大学の発表している統計数字の読取り方です。ここで、Financial Aidの統計数字を使って、読取る注意点とFinancial Aidを希望する方々の願書提出対策・方法を考えてみましょう。先ず、高等教育全体の統計を各大学の傾向判断に使えない例。各大学全体の数字を志願者個人に当てはめて判断に使えない場合が多々あり、留学生受け入れを使って注意しないといけない例の紹介。次に米国のFinancial Aid取扱いを説明します。

アメリカ高等教育在籍学生数は19,562,000人、留学生は690,923人ですから全体の3.5%になります。一部のLACsを除けば上位名門大学の全学生に対する留学生の割合は10%前後です。Diversityと国際性が強調されている為、多くの総合大学は10年程前より、多くのLACsは2~3年前より全国平均より増やしています。これからも、出遅れたLACsや中堅大学が割合を増やしていくと思われています。在米の方々は、大学のインフォメーションセッションに参加されて気付かれていると思いますが、米国人による「自分の海外留学の機会」とは別に「留学生の割合と校内での交流の機会」に対する質問が交わされます。以前には余り無かった事です。多くの大学はこの変化に対応しています。

2009-2010年の中国人留学生は127,628人で留学生全員690,923人の18.5%になります。2008-2009年は98,235人で全留学生671,616人の15%になります。確かに中国人の伸び率は30%と凄い伸びですが、注意して頂きたいのは留学生全体ではまだ18.5%に収まっています。大きな伸び率に拘るならサウジアラビアは、中国と同じように24.9%と前年より急速に増えています。留学生全体比率は日本に次いで7位になりますが全体の2.3%の15,810人です。(日本は6位の24,842人、伸び率はー15.1%)大きな30%の伸び率の数字を使い、あたかも中国人が留学生の大多数になり、他の留学生を締め出しているような記事はセンセーショナルな印象を与え読者を増やす事は出来るでしょうが、現実は留学生全体の15%から18.5%の増加で他留学生を締め出しているとは言えません。

以前名門 難関 有名大学を投稿した時にアメリカでは名門と言えど全米での知名度は一致しないと説明しました。特にLACsはUSNews上位にランキングされていても全米では一般の方々に対して知名度はありません。海外では特にその傾向が強くなっています。全ての大学は、適度の全校生徒に対する留学生比率で、より多くの違う国々から招待する方針を持っています。Ivy League大学を始め多くの上位名門総合大学は色々な国々から留学生を選択できますが、知名度の低い大学は志願者の偏りに依存せざる終えないところがあります。留学生受入れ比率を上げるのと受入れる国数を増やすのは、同時に、同比率に達成し難い事です。注意して、各希望校の国別留学生数を確かめて見ましょう。特に我々日本人は、日本人の留学生数。全留学生に対して以外に多かったり、少なかったりしています。また、最近増加か減少傾向にあるかどうか。留学生全体や他国からの留学生の統計数字より役に立つでしょう。(しかし、ある1つの大学ランキングだけを使い、ランキングを下げる事により入学し易そうという理由だけで出願大学を選択するのと同様、留学生の生徒数や傾向により入学し易そうと選択するのは誤った選択理由であり、後悔します。決してこの様な事の無いようにして下さい。)

2009-2010年留学生全体で、何らかの形でFinancial Aidを受けているのは29%です。米国人生徒の全国Financial Aid支給率は69%ですから、これに比べると低いものの、約3人に1人近く支給されています。話題に上る中国人は47%がFinancial Aidを受けています。留学生全体の18.5%を占める中国人ですが、Financial Aidを受けている留学生の30%を占めている事になります。多くの中国人留学生はFinancial Aidを志望して、補助を受取っています。少なくとも全留学生平均以上の割合になります。他国留学生よりも競争を強いられている中国人、上記の数字からでは、単に留学費全てを支払える能力によって合格を奪っているとも言えませんし、Financial Aidを志望すると合格出来なくなるとも言えません。むしろ、この中国人のFinancial Aid所得率にあやかりたく、出願書類構成の秘訣を教わりたいものです。

次回は日本人留学生に限らず在米日系人も含め、Financial Aidについて各大学が出している統計の読取り。そして出願において考える事を説明していきます。

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