6/01/2011

HYP

Harvard、YaleとPrincetonの頭文字を取ってHYPと呼んで、全米上位3校として扱う傾向があります。入学の難しさ、学問のレベルや生徒のレベルでは、全米上位20校ではさほど違いが無いはずです。Financial Aidを考慮しても、上位5校(StanfordとMITを入れてHYPSMと呼ぶ)は殆ど同等です。しかし、HYPは多くの人よって特別扱いをされます。何故なのでしょう。

多くの素晴らしい大学が有りますが、少数の大学が米国外で承認され、学会関係者以外の人々に知られ、そして確立した卒業生のネットワークを持っています。限られた小数の大学が高い確率で好機を学生に与えます。この機会は、すでに意欲的な学生に対し、更に高い目標を作らせる傾向があります。HYPは学会以外の人々に知られている為、これら優れた機会を非常に高い確率で与えてくれます。Univ. of Chicago、DukeやColumbiaは米国外でも知られ良い学生を抱えていますが、この様な好機を与えてくれる確率が限られています。Dartmouth、Williams、Univ. of PennsylvaniaやBrownは素晴らしい卒業生ネットワークを持っていますがHYPの様に知名度がありません。

HYPの中間層学生の能力は、他の大学に比べ非常に高く差がはっきりとしています。高いレベルの学生間の相互関係やコミュニケーション等がお互いの能力を更に向上させあって行きます。この高い能力とHYPの学校が与えるさまざまな優れた機会が他の大学と大きな差となってきます。面白い例は、ハーバードの学生クラブは"海外の著名人を招待する時は事前に大学事務局より許可を取る事”と手引きに規されています。学生クラブの招待でも学校の名前で海外の著名人が来てしまうからです。この様な事は、HarvardやYale以外では起こりません。

昔は、HYPではなくHYでした。しかし質のある学生が増え、経済の発達によりさまざまな機会が増え、Princetonが加わりました。今はStanfordがHYPに加わろうとしています。しかし威信、名声、知名度等により、HYPがまず始めに質の高い学生や教授を選んでいるような状態です。これにHYP大学の持っている経済的資源と好機が加わって、HYPの学生は一生に一度の他に比較できない経験を手に入れています。

しかしこの様な恩典は、各々個人が与えられた優れた機会を率先して活用しなければ価値が無いのは確かです。

4 件のコメント:

  1. 学部レベルの進学で見ると、ハーバードはボストニアンに好まれ、イェールはニューヨーカーに好まれ、プリンストンはニュージャージの住人に好まれる傾向があるそうです。しかし、世界レベルの注目度で言えばハーバードが抜きに出ているのは周知の事実。

    学部進学者の能力で言えばHYPの差はほとんど無いでしょうが、学部レベルのラボへでも国や企業や海外投資家の大型支援を集められるのがハーバード。イェールやプリンストンの学部レベルのラボへの国家予算は極小額。

    Hが長い歴史の中で培ってきたベスト&ブライテストの賞賛はYやPであっても寄せ付けない強さがあるようです。

    その分、Hへの批判的意見も他のどこよりも多いようで、Hの学生はその賞賛と批判の中でわが道を進んでいきます。

    余談ですが、昨今のIVY進学者内のレガシーの比率は通常15%前後ですが、今年のハーバード合格者内(クラス2015)の約300人がレガシーとHが発表しました。来年はEAが復活しますから多少状況が変わるでしょうが、明確なハーバード・カラーを守り続けるにはHであっても時にはこんな荒治療も必要なようです。

    またリーマンショック後の資産減少の対処は、現在、元財務長官ルービン(H卒業生)がハーバード・コーポレーション理事会会長として手腕を振るっているのかなり復活の兆しが見えてきたそうで・・・。

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  2. Research expenditures 2009

    Harvard. 453M
    Yale. 460M
    Princeton. 188M
    Stanford. 679M
    MIT. 601M

    HYP間の評価は、個人の好みが出てきますね。ヨーロッパ人は、Yaleを割と好み、東洋人はHarvardを一番に決めつけたがると、何度も聞かされます。

    このレベルでは、大学が生徒にいくら投資してくれるかが重要ではないでしょうか。

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  3. 先の私のコメントで、「300人のレガシー合格者」と書いたのは、「30%のレガシー合格者」の間違えでした。
    訂正と共にお詫び申し上げます。

    http://www.thecrimson.com/article/2011/5/11/admissions-fitzsimmons-legacy-legacies/

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  4. 30%の合格者では無く、合格率ですね。合格者は全学生の約12%~13%と言っています。Yaleも最近は10%程と言ってますから、似たようなものでしょう。

    一般は6%の合格率ですから約5倍の合格率。この記事が出た時は、話題になりました。Dean of AdmissionsのFitzsimmonsは、レガシーは平均的な志願者より魅力有る志願者だと言っています。

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