7/09/2011

Student-Faculty Ratioに表れない

殆ど全ての大学がStudent-Faculty Ratioを発表しています。表面的には、学生数が教授に対する割合が小さければひとクラスの人数が少なくてより個人的な指導を受けられるとされます。しかし、割合は実際のクラスでの体験と一致するとは限りません。精力的な教授による講義はわくわくしたり感激させられます。面白くない教授による小さなクラス討論は退屈、「ダルい」です。

ハーバード大学白熱教室で日本でも有名な政治哲学のマイケル・サンデル教授の「JUSTICE(正義)」クラスは、バーバード大学でも1年生用概論の講義で、300人以上入る講演ホールで行われます。受講したい生徒が多くてクラスがどんどん大きくなって行った結果であり、必須で無理やり受講させられている結果ではありません。名門大学には、この様な有名な人気ある講義が幾つもあります。大学の持っている一番大きな講演ホールが満席になるとその学期の受講生が締切りになっています。

統計の数字ばかりに捕らわれず、大学の授業内容等をカタログやウェブから情報を入手して判断する必要があります。大学全体の割合いだけでは意味がありません。自分の予定している専攻の学生数と教授の数。大学によって人気のある学部は違います。各学部の教授の数は大学全体のStudent-Faculty Ratioと同じ比率で調節されていません。調べてみると学部毎で驚くほど差があり、面白い発見となるでしょう。

例えば、UChicagoは各学年約120人づつの数学専攻生徒がいます。Yaleは各学年約30名弱づつ。Williamsは35名強づつ。(3校とも入学時はもっと多くの数学専攻希望生徒がいるようですが、2年終了時の専攻選択発表では毎年同じ様にこんな人数になっています。)3校の数学科学部は全米で尊重されていますし、UChicagoとYaleの数学科大学院は全米上位10に選ばれています。学部での教授と生徒の比率は、UChicagoは学校全体と比べると大きく見劣りしますし、Yaleは個人教育的に見えてきます。Williamsは全体と同じような比率を保っています。しかし、Williamsではいくつもの専門クラスが隔年で提供されますし、大学院レベルのクラスは受講できません。

Yaleでは数理系の学生が少な目な為、教授と一緒に幾つもの世界各地の学会に参加したりする地学専攻生徒や、有名な教授と学会発表をする生物学専攻生徒等の機会を得る話を聞きます。文系でも、United Nationsでの発表や米国議会のインターン等の機会を聞きます。しかし、一般の経済、政治、歴史、英文学等は多くの学生がいて、各学部専攻生徒は毎年150名を超えています。一クラスの生徒数も大きくなります。インターン等の競争も厳しくなります。英文学科のCreative Writingや特別な政治経済学科のEthics, Politics and Economics専攻等は、人数も限られており、2年次に選考過程があり、優秀な成績を修めていないと専攻に選べません。

単純に発表されている大学の統計を鵜呑みにして普遍化せずに、もう一歩踏込んだ調査をして自分に関係する統計を基に大学間の比較や選択を行っていきましょう。

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