5/06/2011

Financial Aid について - no.1

アメリカのFinancial Aidには、Merit-based とNeed basedが有るのはご存知の事と思います。Merit-based でも学校側の考える生徒が学校に供給するメリットによって支払われる額が変わってくるのは理解されているでしょうが、そのメリットを保持する必要条件を確認する事を忘れないで下さい。最低保たなければならないGPAの条件が全く無いもの、最低GPA3.0以上を保つもの、最低3.6や3.7を保たなければならない厳しい条件のあるものと色々あります。一度GPAが基準値を下回った場合、通常Merit-based Financial Aidを失います。入学時は全学費分支払われていても、学費の値上がりに対応せずに差額を支払わなければならないのも有ります。

"Need based"は、各家庭の収入と資産によってその家庭が支払われる能力が有ると思われる金額-Expected Family Contribution(EFC)を算出します。これに生徒が学期中と夏休み中にアルバイトをした場合の収入を加えた金額が生徒とその家庭が支払うべき授業料と寮費とされます。学校側は、 表示価格の授業料、寮費、予測した本代、交通費等を加算し1年に掛かる全費用-Cost of Attendance(COA)を使って、その差額をGrant(返還の必要無し)とローンをFinancial Aidとして各生徒に提示します。Need basedには、単純な"Need based"と"Meet Full Need"の2種類に区分けされます。 ”Meet Full Need"の学校は、このCOAと(EFC+アルバイト収入)の差額全てをFinancial Aidで賄う事を宣言しています。アメリカには大学が3000校以上あるいわれていますが”Meet Full Need"の学校は2010年時点で63校のみです。その中でも留学生を含むのは6校のみです。"Meet Full Need"でない単純に"Need based"の学校は、この差額をFinancial Aidにて賄うと言っているだけです。よってFinancial AidにてCOA額までカバーされなかった分は、GAPと呼ばれ、生徒とその家族が自分で何とかしなければなりません。各学校の予算や生徒の評価によってこのGAPに差があり、予測しかねます。

ただし、各学校が考える各家庭に対する"Need"で有り、各家庭の"Need"は各学校にて算出されます。各家庭が考える"Need"では有りません。また各学校で算出方法が違います。よって、"Meet Full Need"の学校でも思っているよりFinancial Aidが少ない場合が度々あります。"入学審査で合格したけど、低いFinancial Aidで不合格の手紙を受取った"と言う家庭が沢山います。 個人的経験ではありますが、上の子の場合は3校"Meet Full Need"でしたがBest to worstで2万ドル以上Financial Aidに差があり、下の子の場合は5校"Meet Full Need"でしたがBest to worstで1万5千ドル程Financial Aidに違いが有りました。この差は、各学校のEndowment大きさだとか生徒に対する評価の差が理由だと言われています。HYP校等Financial Aidの良いと言われている学校やUChicagoやNYU等Financial Aidの悪いと言われいる学校もありますが、HYPのFinancial Aidに対する不満やUChicagoのFinancial Aidに好評も聞きます。多くの大学に願書を提出し、Financial Aidの提示を比較するまで判りません。

(Need blindは、入学審査の方法であり、"Need"を審査対象にしないと言っているだけです。Financial Aidの査定とは区別されます。米国の殆どの学校は、Need blindで学費やFinancial Aidは各家庭の問題と考えています。むしろFinancial Aidの予算と学生のNeedを考慮しながら選択を行うNeed Awareの学校は、Financial Aidで大きなGAPを提示する学校に比べ、正直だと言う人たちも多くいます。このての学校は、Financial Aidの予算を使い切るとFull payの学生からのみ入学審査をすると言われています。)

米国籍と永住権保有者のみ対象の"Meet Full Need"や“Need blind”の学校で、留学生にNeed AwareですがNeed basedで補助金を出している学校が幾つかあります。この様な学校のリストは、インターネットにも未だ作られて無いと思います。Mantisさんがこのサイトにリストを作り、新しい情報が出てくる度に更新して頂けると皆さん助かるのではないでしょうか。

留学生のFinancial Aidを受けている上位校の統計です。トップ名門Research University、Harvard以外は殆どPull Payの学生を合格させています。Financial Aidを必要とする出願者をわざわざ受け入れる必要が無いのでしょう。 国内の学生に対するFinancial Aidの数字を比較すると驚くほど少ないです。それに対してトップ優良LACは、Research Universityに比べるとFinancial Aidを出しているようです。知名度が不足している分、Financial Aidを出して学生を集めなければならないのでしょうか。しかし、それでも過半数はFull Payの学生です。大学からFinancial Aidを受けているInternationalは圧倒的に少数派です。

アメリカ人の間でも、Full Payの出願時の利点、Financial Aidを頼む事による不利等が、Need Blindの学校への願書ですら論議が活発な時期です。殆どがNeed Awareで審査される留学生とって、Financial Aidを必要とする願書は厳く不利と思われます。(でも、資本不足では在学できませんけれど)

2 件のコメント:

  1. Sunday Driverさん

    興味深い記事の投稿、ありがとうございます。

    >"入学審査で合格したけど、低いFinancial Aidで不合格の手紙>を受取った"と言う家庭が沢山います

    この上記の記載の意味がよくわかりません。
    入学審査で合格したけれど、その家庭の経済状況で、その家庭の子はこの学校に通うだけの自己資金がない、学校もエイドをそこまでは出せないので、成立しない・・・という事で不合格になるということですか?家庭の財政事情で不合格になるってあるのですか?
    2011/05/07 7:49:00

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  2. アメリカ人の間で活発に論議されているという
    Full Payでの出願時の利点、FAを申請する不利な点に
    ついて書かれている記事とかご存知でしたら教えて下さい。
    参考のために是非とも読んでみたいと思います。

    やはり、International Studentsにとって、名門大学の
    出願にあたっては、FAの申請は不利だというのが現実のようですね。Blindといえども、ハーバード以外も数字がそれを物語っています。
    2011/05/07 7:57:00

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